こんにちは!備前焼作家、吉岡亜子です。
「備前焼をもっとかわいく、もっと身近に!」
をコンセプトに、素朴で渋いイメージのある備前焼を、もっと身近に感じてもらえるように、
女性らしい世界観で新たな備前焼の魅力を提案しています♪
今日は、私のお気に入りの作品をご紹介させていただきます。
どうやって作ってるの??
と疑問をもたれることが多いので制作秘話などもご紹介致します!
1つ1つ、丁寧に透かしを入れた花入れです。
中には透明なガラスの筒が入ってますので、水は漏れません。
備前焼の素朴な焼き色に、草花の緑が涼しげに映えます。
四季を彩る花々を入れてもよし、野の草を投げ入れてもよし。
何も入れることなくそのまま飾っても、透かし模様の面白みがありますので、飽きがこず楽しんでいただけると思います。
気取らず自分らしくお使いください。
サイズ:縦約15㎝前後
制作秘話
この透かしの花入れは、中にガラスの筒が入っているのがポイントです。
この花入れを作るときは、ガラス管のサイズに合わせてろくろをひいていきます。
しかし、ガラス管は市販のものなので、サイズはすでに決められたものになります。
ですので、
「焼き上がった花入れに合うガラス管を入れる。」
ではなく、
「ガラス管に合わせてろくろをひく。」
という流れになります。
とは言っても、焼き物って作ったときと、焼けた後のサイズが変わるのです。
備前焼の場合、約二割小さく縮みます。
なので、焼けた後にぴったりとガラス管が納まるようにサイズを計算して、ろくろでひいていかなければいけません。焼けた後縮んだ時に、小さくなりすぎればガラス管が入りませんし、大きすぎると中でぐらついて安定感がなくなってしますからです。
焼き物作りの難しいところはここです。
「このサイズのものが欲しい」と思った時に、作りながらその場で確認できないところ…
焼きあがったときの収縮率を考慮して作らないといけないので、焼き上がるまで油断が出来ません。
ろくろでひいた後は一日ほど置いて、持てるくらいのかたさになったところで裏面を削って仕上げをし、
ナイフを使って透かし模様を入れていきます。
ちなみに、この作業はほんとーーーーーーーーーに、首肩が痛くなります。
切った後のバリなどを綺麗にならします。
そして数日間、しっかりと自然乾燥させたのち、窯に入れて1230度で焼き上げていきます。
この時、緋だすき模様にする場合は、藁を巻き付けてから窯に入れます。
窯の大きさや種類によりますが、私が使っている小さな窯でも、窯に入れてから出すまで約4日間ほどかかります。
こうやって、色んなことに気を使いながら作ったものが、ちゃんと焼けて出てきて、ガラス管もきちんと納まるのを確認したときは、ホッと安心し、嬉しくなります。
なかなか数が出来ない作品なので、お気に入りのものが見つかったときは、ぜひゲットしてくださいね^^