備前焼の代表的な模様について

こんにちは!備前焼作家、吉岡亜子です。

「備前焼をもっとかわいく、もっと身近に!」

をコンセプトに、素朴で渋いイメージのある備前焼を、もっと身近に感じてもらえるように、
女性らしい世界観で新たな備前焼の魅力を提案しています♪

さてさて、備前焼ってどんな焼き物なんだろう?ということをざっくり説明しましたが、

今回は、様々な種類のある備前焼の模様についてご説明します!

皆さんは、「備前焼」と聞くとどんな色を思い浮かべますか?

ほとんどの皆さんは、茶色っぽい色を想像されると思います。

しかし、備前焼にはいろ〜んな焼き色がある事をご存知ですか?

釉薬も使わず、絵付けなどもしないのに、窯の中で起こる様々な化学変化によって、同じものは1つとない、まさに一点ものの模様が生まれて来るのです。

ここでは特に代表的な焼き色を4種類ご紹介していきます。

胡麻(ごま)-Goma-

黄色っぽくなっている部分の事です。
模様が胡麻の粒に見えることから「胡麻」と呼ばれます。

登り窯で備前焼を焼く時に、燃料として赤松の割木を使います。
割木が燃えて徐々に温度が上がり、窯の中で燃え舞う灰が作品に付着し、それが高温でガラス化した状態が胡麻という焼き色です。
胡麻がかかるのは、主に、登り窯の一番手前にある「ウド」と呼ばれる一番大きな部屋の、さらに一番正面となります。なので、自然に胡麻模様ががしっかりと表れる作品はそんなに多くはありません。

また、焼成前に作品に灰を振りかけ、意図的に胡麻模様を出す「かけ胡麻」という手法もあります。
(上の写真はかけ胡麻です)
灰は、窯焚き後、窯内に付着した煤(すす)を採取し、ふるいにかけることにより、細かな粉となるので、これを使います。

さらさらのパウダー状です。

桟切り(さんぎり)-Sangiri-

黒や灰色、白や蒼っぽい色など変化のある焼き色が特徴です。

作品が焼き上がる直前に窯の中へ炭を入れて強還元を起こすことで複雑な景色を生み出します。

ちなみに、私が、まだ窯元に入ったばかりで、「備前焼は茶色い焼き物」くらいの認識しかなかった時に、初めてサンギリ模様を見て、「備前焼にも色んな色があるんだ!!!」と発見したキッカケの模様です。なので個人的にサンギリに思い入れがあります(笑)

同じものは1つとしてありません。
お気に入りを見つけたらぜひゲットしてくださいね^^

緋襷(ひだすき)-Hidasuki-

薄い肌色に、緋色の襷(たすき)模様が入っています。焼成前の素地に、襷のように藁を巻いていきます。それを酸化焼成で焼くことにより、土の成分と藁のカリウムが反応して赤くなります。

元々は作品同士がくっつかないように、藁をはさんで焼いていたものが、現在では模様として使われるようになりました。

 

 1つ1つ藁を巻いていきます。

窯変(ようへん)-Youhen-

灰に埋もれて焼かれた部分に還元状態がかかり、青や灰色、黒などの変化が特に激しく起きたものを窯変と呼びます。

窯内でごく一部の場所でしか焼けない上に、破損や変形が多いため、大変貴重な景色となります。

まとめ

いかがでしたか?^^

様々な焼き色がある備前焼ですが、一般的に良く見られる主な焼き色は以下の4種類です。

・胡麻(ごま)
・桟切り(さんぎり)
・緋襷(ひだすき)
・窯変(ようへん)

基本この4種類を覚えてたら、「お、この人、備前焼のこと知ってるな!」と思われます(笑)

釉薬も絵付けもしないのに、窯内の様々な変化や反応で、こんなにたくさんの色味が出てきます。

そしてそれを、経験と感覚で生み出してきた昔の人たちが凄い!!!

と正直思います。

この他にも、色んな焼き色があるのですが、代表的な焼き色として、まずこの4つをご紹介させていただきました。

今後どこかで備前焼に触れる機会がございましたら、ぜひちょっと思い出しながら眺めてみてください。今までとは違う発見があるかもしれませんよ^^

興味を持たれた方は、「備前焼の特徴。備前焼の魅力。」もあわせて読んでみてくださいね^^

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この記事を書いた人

吉岡亜子

備前焼作家。備前焼の窯元で陶工として8年間勤めたのち、「備前焼をもっとかわいく、もっと身近に!」をコンセプトに独立。
女性ならではの感性で、手にした時使いやすく、見た目も可愛い備前焼を提案。
現在は備前焼の体験教室の講師も務める。